まいどおおきに。自分探し真っ最中の李茶です。
突然ですが、“職人さん”に憧れたことってありませんか?
私はあります。というか、今でも将来の選択肢の一つとして考えています。
でも、どうしたらなれるのかわからないし、今の仕事が嫌いなわけでもない、という言い訳。そんな私ですが、縁あってとある学校のオープンキャンパスに乗り込んでみました。
伝統工芸の世界に興味がある方(特に社会人からの転職希望者)の参考になればと思い、その時のことを記事にしてみます!
職人さんになりたい理由
好きだから
私の場合、昔から「日本文化」「ものづくり」「古き良きもの」といったキーワードが好きな子でした。
- 高校時代は弓道部に所属
- 自己流で着物を着るのが好き
- 骨董市へ足繁く通う
- 歌舞伎や落語に興味津々
- 不器用なくせにDIYとか裁縫がしたい
好き、興味があるから職人さんになりたい。
なんとも安直かつ明確な理由ですね。身近に職人さんがいてその仕事を見て興味を持つという人も多いかと思います。私は、裁縫上手な祖母や「買うより作る」をモットーにする母の影響を受けたかもしれません。
会社員が嫌いだから
仕事のスタイルという観点。
現在会社員をしていますが、実は「絶対会社員にはなりたくない」と思っていました。笑
- 絶対したくない仕事は、営業と事務だった
- スーツや制服を着るより、作務衣の方がかっこいい
- 人と話すのが苦手で、黙々と作業する方が好き
- 手に職つけたい
またしても安直ですが、簡潔にまとめるとこんな感じ。ほぼ私の思い込みです。実際の職人さんは、作業するだけでなく、作品を売るためのセールストークも必要だったりします。
でもやっぱり、一心不乱に作業に打ち込む姿が美しいと思う。人から人へ受け継がれた技術を守り、また次へ伝えていく。私もその担い手の一人になれないだろうか。その思いは嘘ではありません。
でもどうしたらいい?
そう思って調べていく中で見つけたのが、今回ご紹介する学校でした。
学校の概要
立地とアクセス
京都伝統工芸大学校(略称・TASK)は、京都府南丹市園部町にあります。
JR京都駅から約50分、園部駅を降りてすぐ。乗り換え無しで行けるのでアクセスは良好です。
でも、すげー田舎。
邪念が入る余地無し。制作に没頭するには、最適な環境と言えます。
「日本で唯一、伝統工芸の技を体系的に学べる学校」
本来職人になるには、師匠を探し出して「たのもー」と弟子入りし、身の回りの世話をしながら技を伝授してもらう、というのが通例です。何のツテもない私のような一般ピーポーには、なかなかハードルが高い…。
けれど、この学校に入れば、一流の工芸士たちから指導を仰げるわけです。
専攻とコース
11の専攻から自分の学びたいものを一つ選びます。陶芸・京友禅・木工芸あたりが人気のよう。途中で専攻替えをできないことは無いそうですが、浮気をしていては生半可な技術しか身につきません。やると決めたら覚悟が必要。
そして、工芸コース(2〜4年)と工芸クリエイターコース(4年)のどちらかを選択します。工芸コースは技を磨きたい人向き、工芸クリエイターコースは技+デザインやプロデュース力もほしい人向き。4年で大学卒業資格取得が可能。
入学者の年代
以前は30代以上の社会人経験者が多かったけれど、昨今は高校卒業後すぐの若者が増えているのだそう。とはいえ、リカレント(学び直し)生も歓迎してくれています。社会人経験者の方が、仕事をやめ覚悟を持って入学するので学びに集中できそうです。
それから、美大・芸大出身者から全くのド素人まであらゆる経歴の人が入学するそう。必要なのは「やる気と根性」ってこと。
もっと詳しく知りたい方は、京都伝統工芸大学校 公式ホームページを覗いてみてください。
オープンキャンパスに行ってみました
オープンキャンパスの概要
2019年10月開催のオープンキャンパスに参加しました。
この日の参加者は、約20人。ざっと見たところ、親同伴の高校生から20歳前後の若者、私と同世代くらいに見える人などがいました。男女比3:7くらい。
午前中は、学校方針や授業内容、就職についてのガイダンスでした。
学生代表の3人が、それぞれの専攻内容をたどたどしくも楽しげに話しているのを聞いて、「あぁいいな」と心からそう思えました。
午前中のガイダンスが終わると、食堂へ移動してランチタイム。学生さんと参加者みんなで、チキンカツ定食をいただきました。同じ釜のメシを食うってやつね。チキンカツ冷めてたけど美味しかったです。
仏像彫刻を体験
さて、午後はお待ちかねの工芸体験です。
上記で述べた11専攻の中から興味のあるものを一つ選び、簡単な作品作りをします。
私が選択したのは、「仏像彫刻」。
やはり京友禅とか陶芸を選んだ人が多かったですね。仏像彫刻は私一人。うん、なんとなく予想してたけど…おかげで、マンツーマンで指導してもらえました。
作業する時の基本姿勢はあぐら。机の上には、色んな形の彫刻刀が並んでいます。おぉ、職人さんぽいぞ。
「簡単な仏像を彫ってみよう」ということで、予め大まかに面取りされた木をもらい、顔を丸く削ることから始めました。輪郭が整ったら、お顔を入れていきます。目鼻口を下書きして、少しずつ彫っていきます。彫刻刀を使うなんて何年振りだ?消しゴムはんこくらいなら作るけど。
ここは平刀でざっくりと。ここは細いのに持ち替えて慎重に。
木目の方向に気をつけて。
説明を聞いてやり方を見ても、その通りになかなかできず、正直に白状すると、ほとんど彫ってもらいました。汗
でも、楽しかった。彫刻刀を入れる時のサクッという感触がなんとも心地よい。
なんとなくで選択した仏像彫刻ですが、“プロジェクト制作が多い”という点ににすごく魅力を感じました。例えば、災害にあった倒木を使ってご本尊の仏像を制作し、お寺に奉納するとか。(常にあるわけではないようですが)
自分たちの制作した仏像が、後世に受け継がれていくなんて素敵だな。これが「生きた証を残す」っていうことなのかな…。
まとめ
伝統工芸を学ぶ現場を肌で感じて、やっぱり職人さんていいな!と感じました。でも、京友禅や陶芸も捨てがたい、、、ということで、入学するかは保留状態です。
体験指導をしていただいた助手さんも社会人からの転職組で、入学するかどうか3年悩んだとのこと。
「悩んで悩んでやっぱり諦められなかったら、その時決断すればいい。」
経験者の言葉は、心に突き刺さります。
すぐに答えを出さなくてもいい。でも、イメージするだけでなくて、その現場に足を運んでみる。同じ経験をした人に話を聞く。自分の手でやってみる。
それが、理想の人生を作る一番の近道だと思います。
本記事を読んで、伝統工芸おもろそう!と思ったら、京都伝統工芸大学校公式ホームページを覗いてみて下さい!
以上、李茶でした。ようおまいりです(_ _)
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