梅雨の季節は鬱陶しい。梅雨が好き、だなんて人は珍しいかもしれない。
でも、その鬱陶しい季節にこそ咲く花もある。そう、紫陽花だ。紫陽花の名所は京都にいくつもあるが、長岡京市・柳谷観音楊谷寺ものそのひとつ。
しかもこの楊谷寺、「インスタ映えする写真が撮れる」と人気なんだとか。
あまりそういう話題には気が乗らないけど、どんな所でも取材を兼ねて参拝するのが私の役目。多くの人で賑わうあじさいウィークの季節、2021年6月に初めて参拝しました。
柳谷観音楊谷寺とは

京都西山の中腹に位置する、柳谷観音楊谷寺(やなぎだにかんのんようこくじ)。
開創806年。清水寺を開山した延鎮僧都(えんちんそうず)によって開かれた、1200年続くお寺です。「十一面千手千眼観世音菩薩」を御本尊としてお祀りし、昔から眼病治癒の祈願所として信仰されてきました。
昨今では花のお寺として親しまれています。春は桜、5月は青もみじとツツジ、梅雨時期は紫陽花、秋は紅葉。特に紫陽花の時期は、西山三山のひとつ・善峯寺と並んで「紫陽花の名所」として人気が高く、多くの人が訪れまます。
楊谷寺と言えば、そう「花手水」
山門をくぐって左手すぐ。お目当ての場所がありました。人が集まっているのですぐわかります。

楊谷寺といえば、そう「花手水」。

SNSでよく見る真上からのアングルをねらったが、これなかなか難しいな。

引きで見ると、こんな感じ。笑

いまや全国の神社仏閣で見かける花手水ですが、そのブームの火付け役となったのはここ楊谷寺だと言われています。
花手水という名称は、本来野外で手を清める際に草花で代用した行為を言いますが、当山内では自然に花を浮かべた手水舎・手水鉢そのものを指すようになり、これがメディア・SNS等を通じ全国的に広がっています。
花手水の由来|柳谷観音楊谷寺公式サイト(https://yanagidani.jp/event/hanacyouzu/)
寺院って伝統を重んじるイメージがありますが、話題性を作ることに寛容なお寺が案外多いように感じます。
あじさいの数は少なめだけど

京都で紫陽花の名所といえば、一番に思い浮かぶのは宇治の三室戸寺。あと、楊谷寺と同じ「西山三山」のひとつ・善峯寺も人気ですよね。(※西山三山=善峯寺・光明寺・楊谷寺)
過去に三室戸寺・善峯寺のあじさい園を訪問したことがあるので、それらと比較すると物足りなさを感じる点は否めません。ですが、丁寧に手入れされた境内は本当に気持ちがいい。



あじさい園入り口から奥の院へと上り、回廊を下ったら書院でひと休み。境内をぐるっと一周しつつ、紫陽花を楽しむことができます。どこもかしこも綺麗に掃き清めらている印象でした。

境内のあちこちに撮影スポット
山門横の龍手水に気を取られがちですが、他の場所にも花手水スポットがあります。


花手水以外にも、思わず写真を撮りたくなるシーンがちらほら。こりゃ女子が飛びつくわけだ。

あら!こんな所にも!

乙女の心をくすぐる仕掛けがたくさんほどこされており、まるで宝探しをするような気分でキョロキョロしながら散策してしまいました、不覚にも(笑)
楊谷寺へはマイカーかシャトルバスがおすすめ

最寄りバス停から約1時間歩きました。
これだけは伝えたい!!
「ハイキング道として最適」と書いてありましたが、あまりおすすめしません。楊谷寺へ向かう唯一の道路は車やバスがひっきりなしに通る。それを避けつつ道の隅っこを歩く。車が通らないと何もない山道なので、女性ひとりは不安。必ず日が暮れる前に下山してください。
途中の竹林は綺麗なんですけどね。あと、そんな山奥だからこそお詣りしがいがあるんですけどね。

毎月17日は縁日の日で、最寄駅からシャトルバスが出るとのこと。次行く時は絶対これ乗る!
まとめ|みなさん楊谷寺へおこしやす

ウワサの花園・柳谷観音楊谷寺へ初めて参拝してみた。
あじさい園や庭園の手入れ、花手水の入れ替え、映えるスポットの提供、おしゃれな御朱印の授与。手間暇をかけて参拝者を迎えているお寺、という印象を受けた。
何のためにそこまでするのか?
そりゃもちろん沢山の人にお詣りしてもらうためだ。境内を美しくして居心地の良い雰囲気を作ってたくさんの参拝者で賑わってお金を落としてもらえば、お寺は潤う。そういう言い方をしてしまうと厳かなイメージを崩してしまうかもしれない。でも、お寺が潤えば、行き着く先は仏様に喜んでもらうことにつながる。
インスタ映えの先に「仏様への信仰」を感じるお寺であり続けてほしい。そう感じる参拝であった。
以上、李茶でした。ようおまいりです(_ _)
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