【お守り秘話】神社のおふだ・お守りはどうやって作られる?

神社のギモン
いなば
いなば

ようおまいり♪お守りはいかがですか〜??

どこの神社でも目にするであろう、おふだ・お守り。それぞれの神社で、独自の趣向を凝らしたかわいい・かっこいいお守りを授与しており、見るだけでもワクワクしますよね。

そんな、おふだやお守りはどうやって作られているのかご存知ですか?

ベールに包まれた世界を、ほんの少しだけご紹介します。

※本記事は筆者の経験に基づき作成しております。全国すべての神社様ならびに関連企業様に該当するとは限りません。参考程度に読んでいただきますようお願いいたします。

お守りとは

今さらではありますが、おふだ・お守りとは何か、簡単におさらいしておきましょう。

神社にはいろいろな神様が祀られています。「御祭神」(寺院なら「御本尊」)とお呼びします。私たちは、神社へお参りして神様に手を合わせ、日頃の感謝や願いごとをします。神様の力を込めたものを家に祀ったり身につけたりすることで、災いから守ってもらったり、願いを叶える後押しをしてもらう。それが、おふだ」「お守りです。

正確な定義はありませんが、「おふだ」は家に祀るもの、「お守り」は自分自身が常に身につけるものというのが、両者の違いです。固定電話と携帯電話、みたいなものでしょうか。

お守りを作っているのは

昨今、神社のおふだ・お守り(以下「お守り」と省略)がぐんとバラエティ豊かなものになってきました。斬新な形、特殊な素材、おしゃれなデザイン、変わったご利益。オリジナリティあふれるお守りを授与することで、神社の存在を広く知ってもらう。お守りはその神社のトレードマークとしての役割を担っています。

そんな様々なお守りは、全て神社内で作られている。

それが神社界での一応の建前です。

でずが、実際そんなわけはないですよね。例えば、年間数百万人の参拝者を相手にする観光神社が、全てのお守りを神社内で作る時間や設備や人手をどこに持っているのか?ものづくりが好きな人なら肌感覚でわかるはず。

そう、実際のところは、お守りの製造を影で担っている授与品メーカーが存在するのです。

神社を影で支える授与品メーカーとは?

お守りやおふだ・おみくじ・絵馬・御朱印、新年には破魔矢や熊手といった縁起物などなど、、、神社仏閣で見られる様々なアイテムを総称して「授与品」と呼びます。そして、それらの製造を専門とするメーカーがあります。基本的には一般企業と変わりません。作っているものがちょっと特殊、というだけ。

▼新企画のお守りができるまで▼

  1. 神社からの要望、メーカーからの提案営業
  2. おおまかなデザイン、素材やパーツを決めていく
  3. 打ち合わせを重ねながら内容を詰める
  4. 試作、修正
  5. 最終決定、生産
  6. 納品

と、これで話が終わったら全くもって面白くない(笑)ので、一般企業と違う点も紹介しましょう。

授与品メーカー、ここが変?!

人の手が最重要!手づくり&アナログの世界

内職さんに依頼して軽作業をしてもらい完成にしていく、という流れが大半を占めます。内職さんというのは、ご近所に住むごく普通の方々。まさに「人の手」が何より大切な業界なのです。機械を使う場面ももちろんありますが、何十年前から稼働させているような古い機械が多い…。

▼御守袋ができるまで▼

  1. 織物工場で生地を織る
  2. 裁断、ミシン縫製
  3. 内符の印刷・加工
  4. 内符を入れて紐を通す
  5. 検品
  6. 納品

モノを作るが、モノにあらず

最近ではお土産感覚でお守りを受ける方が増えていますが、一方ではすがる思いでお守りを受ける方もいます。お守り自体は紙と布と紐で出来た和雑貨のようなモノでしかないのですが、それを神様の分身だと思って大事に大事に持つ人がいる。

その事実をちゃんと理解した上で毎日奉製にあたっています。

「神様ごとだから、こういう不良は困る」と細かすぎるクレームを受けることもしばしばあります。

完成しても、未完成?

授与品メーカーが奉製したものを神社様へ納品する時点では、まだ完全なお守りではありません。

それは、御霊(みたま)が入っていないから

お守りが全国の神社へ納入された後、「はらえたまえきよめたまえ〜」と神職さんがお祓いをして、“お守りの形をしたもの”に神様の御霊を宿します。

いなば
いなば

はい!あ〜っという間に、お守りの完成!!

「そんな馬鹿な」と思ってしまいますが、それもまた宗教の面白いところ。これで正真正銘のお守りになるのです。

(全ての神社でしっかりお祓いがされているかどうかは、今回取り上げないこととします)


しっかり検品して見た目には完成品なのですが、メーカーで奉製した時点では“お守りの形をしたもの”でしかない。最後の味付けは神社でしか行えないのです。

年末は修羅場

年末近くに滑り込みで注文が入り、「年内にお願い!」と無茶振りを言われることが多々あります。無茶振りであっても、お願いされると頑張ってしまうのが授与品メーカーの性質。なので、無事お正月を迎えられるか大晦日までハラハラしっぱなし。ちなみに、授与品メーカーにとって年内のリミットは「12月31日」です。(あくまで私の経験談です。同業他社はそこまで頑張らないかも)

廃盤がない

一度決定してしまえば継続して奉製し続けることになる授与品。ごくたまにモデルチェンジすることがありますが、廃盤は滅多にありません。

中には、10年ぶりの注文が舞い込むお守りもあります。

よそから仕入れる材料については10年も経つと廃盤になっていることが多く、類似品を使うこともありますが、社内でまかなえるものは10年ぶりでもだいたい再現出来ちゃう。手作業重視だからこそなせる技かもしれません。

お守りは神社で作られる、は嘘ではない

本来は神社で作られるもの

神社の中で奉製してお祓いして参拝者に授与するというのが、お守りの本来の姿だと思います。ですが、授与品を取り巻く規模が大きくなり、量産の必要性に伴って授与品奉製を請け負うビジネスが生まれ、今に至るわけです。

まんぷくねこ
まんぷくねこ

じゃあ、神社内では授与品を全く作っていないの??

いなば
いなば

いやいや!そんなことはないよ!

私も巫女さん時代、おふだに水引を結んだり、縁起物の包装をしたりした記憶があります。また、地元の氏子さんたちに集まってもらい、神社内で破魔矢の飾り付けをするのが毎年恒例でした。神社でお正月準備をする光景がよくテレビや新聞で取り上げられますよね。

時には、ものづくりの得意な神主さんが自身で企画・奉製したお守りをSNSで宣伝しているのを見かけることがあります。小さな神社だとそういったことが比較的自由にできるのでしょう。

内符だけ神社で奉製する

お守りの一部だけを神社で奉製するという場合もあります。例えば、お守り袋は授与品メーカーへ依頼するけど、袋の中に入れる小さなお札(内符内札と呼びます)は神社内で奉製するという方法。

神社でお守りを選ぶ時、お守り袋のデザインや色で判断する方が多いと思いますが、実は中に入っている内符がお守りの心臓部分、一番の要なんです。外からは見えない内符にきちんとこだわっている神社さんは「デキる神社」。私はそう思っています。笑

まとめ|お守りづくりは奥が深いんです

私が授与品メーカーへ就職した時、親族友人からよく言われました。

友人
友人

え!お守りを作る会社なんてあるの??神社で作ってるんやないの?!


世間一般ではいまだにそういうイメージが根付いているんだなぁと感じたことを憶えています。

神社で作っているというのは完全な間違いではない。でも、多種多様なお守りを奉製するには授与品メーカーの存在が欠かせません。

ひとつのお守りができるまでには、見えない部分で実にたくさんの人が関わっています。

次に神社仏閣でお守りを見た時、そのことをほんの少し思い出してくれたら幸いです。

以上、李茶でした。ようおまいりです(_ _)

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